声楽と音度名唱

 ※音度名唱「拡張移動サ」の全体を概観するには、拡張移動サ音度名表をご覧ください。

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拡張移動サの実践(2)

既存の音感の移入(2)

長音階と短音階の読み替え

長音階と短音階が、一曲の中で、同主調の関係で同居するとき、拡張移動サでは、主音を意味する音度名「サ」の位置するピッチクラス(及び対応する音名)は変わらず、変化するⅲ度音・ⅵ度音・ⅶ度音の方の音度名の母音を変えて読む。
(「ギ←→グ」「ダ←→ディ」「ニ←→ヌ」)

下の楽譜は、本居長世作曲「青い眼の人形」の旋律に移動サ音度名を振ったものである。中間部の5小節目から12小節目までが自然短音階的な旋法であり、その前後が長音階的になっている。

この音度名を見ると、「サ」のピッチクラスはE音(ホ音)のまま一曲を通じて変わらず、短音階的な部分では、G#音(嬰ト音)「グ」の代わりにG音(ト音)「ギ」が、また、C#音(嬰ハ音)「ディ」の代わりにC音(ハ音)「ダ」が旋律に登場して、その旋法の変化を表現している。

青い眼の人形

(最終更新2010.10.23)

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