声楽と音度名唱

 ※音度名唱「拡張移動サ」の全体を概観するには、拡張移動サ音度名表をご覧ください。

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旋律に関する用語整理

このコーナーでは、声楽における旋律とその代音唱法について考察しているが、特に論じている「拡張移動サ」音度名のシステムでは、旋律に関わる多くの特殊な用語を用いている。それぞれを説明したページや用語集を用意しているが、全体の見取り図を把握するために、このページをご覧いただきたい。

音楽・音階・旋法についての用語

下の表は、音楽・音階・旋法に関わる、主にインド音楽用語に基づく用語を階層的に一覧にしたものである。各用語から「用語集」の該当項目にリンクしているが、より詳しい説明ページに左のメニューから移動できるものがあるので、参考にしていただきたい。

ナーダ

音〔響き・振動〕

サンギータ

音楽

プラヴァーラ

 

ヴァラヤ

―――

グラーマ

音階

メーラ

タート

ジャーティ

旋法

ニシュターナ

 

パッタ

 

ラーガ

―――

(ラーガ)

(楽曲)

拡張移動サ

南インド音楽

北インド音楽

古代インド音楽

一般的音楽用語

類・均・調、及び「~旋法」

これらの用語は、主に東川清一の諸著作を淵源としている。「均・調」は東アジアの伝統音楽用語から。

「音階の音型」の種類が「類」。「音階全体の音高」を示すものが「均」。「旋法の主音の音高」を示すものが「調」。旋法の種類については、そのまま「~旋法」と呼ぶ。

「『ホ短調』などという一般化した略称では、『音階』と『旋法』の区別がつかないため、正確を期した『ダイアトニック類ト均ホ調ラ旋法』などと呼ぶ呼び方を正式名称として認知すべきである。その方が、理解を深められるし、古今東西の多くの音楽に統一的に対処できる。」という文脈に基づく。上記の呼び方では、「音階の音型と高低位置および、旋法の主音の音名と階名」の4種の情報を個別に述べている。そのうち、旋法の主音の階名を述べることでは、ディアトニック音階の中での旋法の種類を表現している。

均の呼び方には、「各音階の代表的旋法をあらかじめ決めておき、その旋法を当てはめた場合の主音の音名で呼ぶ(→ハ均・変イ均など)」「五線譜を基準にして、その調号(正確には「均号」)の種類と数で呼ぶ(→♮均・1♯均など)」の2方式がある。拡張移動サでは、五線譜に表記しにくい幹音構成を持つ音階を平等に扱おうとするため、前者の方式をとる。

また拡張移動サでは、類はヴァラヤ名で、旋法名はメーラ名やラーガ名で呼ぶ。

アンガとパルヴァン

「アンガ」はインド音楽用語で、旋法を構成する部分となる音列のこと。四度を三分割するテトラコードや、五度を四分割するペンタコードなどのことである。アラビア音楽の「ジンス」の概念に類似。

「パルヴァン」とは、そのアンガ同士の結節点となる音のことである。

旋法の響きや音の動き方の枠組みを解釈するために用いる概念。


(最終更新2010.11.1)

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